あざみ野G SOHO 現場レポート Archive

あざみ野G/SOHO ヴァーチャルツアー③

ずっと更新できずにいました。

ヴァーチャルツアーの最終回は、2Fの居住エリアです。

左は寝室です。敷地北側に位置していますが、プランがL型となっているため、日差しが入ります。

建物が南東に面しているので、午前中から正午にかけてが一番日差しが差し込む時間帯です。

室内の北側にも小窓を設けているので、部屋の扉を閉めても中間期の自然換気や、真夏の夜、季節風を捉える

時期の自然冷却が可能です。

また、真夏の日中は、屋根断熱を施し、窓を閉め、ブラインドを降ろし、エアコンを稼働することが

省エネ的には一般的ですが、最上階はどうしても熱くなる場合があります。

そのような場合、温まって上昇した空気をロフトから逃がすことができます。

冷えた空気は足元に下りてきますから、効率が良い方法です。

右はLDKの吹き抜けからサロンを見下ろしたところです。

この写真は階段を上がってLDKに臨むところです。左手に吹き抜けがあります。

一面だけガラスになっていますが、これは、写真には入っていませんが、冬場、右手のバルコニーからの午後の

日差しを1階サロン中央に導くためです。

突き当りの大きな窓からは、午前中、陽が差し込みます。ちょうど四角く床に光がさしていますが、

ここがダイニングエリアです。

右はダイニング側からLDKをみたところです。吹き抜けの手すり壁が左手に見えます。

中が光で反射していますが、冬場は、午後になると、バルコニーからの光がこのように当たり、1階サロン中央に

落ちていきます。夏場は、バルコニーの庇が日差しをカットするので中まで直射日光は入ってきません。

ダイニングエリアの小屋裏は吹き抜けているので天井が高く取れています。

それ以外の部分は、けして高い天井ではありませんが、天井が低いという印象が感じられません。

奥にはテレビ台があります。手すり壁側がソファーエリアです。

ソファーエリアからダイニングキッチン側を見たところです。ここのご家族は、リビングよりもダイニングが生活の

中心と考えられていたので、通常、リビングとして捉えられるソファーエリアは、小さく設えています。

キッチンの上、ダイニングに面したロフトです。ここから屋上にも出れます。

レポートでも幾度となく紹介してきましたバスルームです。

以上、ヴァーチャルツアーでした。

これらは、引っ越し前の写真ですが、あとは、住まい手が、自分たちが建てた家を使いこなし、

自分たちの生活感を染み込ませていくことによって、本当の完成形に近づいていくことでしょう。

この住宅は5月にオープン予定のサロン&オフィスの兼用住宅なので、

なおさらその使いこなされ方に期待するものがあります。

よく、生活感のある家を設計してほしいと相談してくる方がいるのですが、

生活感というのは、住まい手が作り出すものであって、レディメイドに手に入れられるものではありません。

広告の作り出す既製のイメージが生活感だと思っているのだとしたら、その人は家づくりに向いていないかもしれません。

僕たち建築家は、クライアントとコミュニケーションをしながら設計をすることで、彼らの生活感が宿るための

”場”を提案するにすぎないのです。”場”が”場所”となるためには、”時間”が必要です。

もちろん、家づくりのプロセスに深く関わっていれば、出来上がった時にも愛着はあるはずですが、

住まい手が家ときちんと付き合い、使いこなし、深い愛情が隅々に生じてきたときに、初めてその家は、

意味に満たされた”場所”となり、本当に、生活感のある家となるのです。

設計者としても、使いこなされる固有の家を設計したいという気持ちが常にありますが、それは、住まい手があって

はじめてたどり着くことのできる境地でもあるのです。

あざみ野G/SOHO ヴァーチャルツアー②

あざみ野G/SOHOヴァーチャルツアー2回目です。

今度は玄関側から回ってみます。

来客が多いので、一度に複数の人が入ってきても大丈夫なように、玄関は細長いギャラリーになっています。(左上)

天井にはピクチャーレールがついているので、絵などを飾ることができます。

暗い突き当りはできるだけ設けない提案を心がけていますが、

ここでも玄関の突き当りの靴棚の横から光が差すようになっています。(右上)

玄関を上がって、前回見たサロンとは、逆側に回ると、階段裏に控えスペースがあります。 (左上)

机や書類棚を置いて、書斎的な使われ方をするイメージです。

階段下は当面収納スペースとして使用しますが、使い勝手によっては壁を取り外し、

居住域として使用することもできるようになっています。奥に見えるのが和室になります。

通常はオープンで使われますが、必要に応じて戸襖を閉めて利用します。

琉球畳とまでは行きませんでしたが、半畳サイズの縁なし畳の間です。(右上)

プリーツスクリーンがおりている窓からはテラスに出ることができます。

 

このSOHO住宅は、できるだけ行き止まりや閉じた部屋をつくらないように計画されているので、

ぐるぐる回ることができます。

和室の前の通路を抜けると、前回紹介したサロンスペースにたどり着きます。 (左上)

サロンの中心にはバーカウンターがあり、その背後は、先ほどの玄関です。

半透明の扉によって、玄関へ光は通すけれども、カウンター裏は見えないよう配慮されています。(右上)

バーカウンターのサイドはディスプレイ棚になっています。

本が立てかけられている部分はフリッパードアで、背後は収納スペースになっています。

ぐるぐる巡回できるプランなので、右手の背後に先ほどの玄関が見えます。(右上)

バーカウンターの中からサロンとテラスをみたところです。(左上)

サロンとテラスはバリアフリーで連続しています。

吹き抜けの上部は、手すり壁と、ガラス手すりが回っています。(右上)

下階からは、上階の居住スペースの気配や、バルコニーからの光を感じることができますが、

視覚的にはプライバシーが配慮されているつくりです。

バルコニーからの光は、冬の午後の日差しをサロン中央に取り入れることを意図しています。

サロンは、椅子やテーブルをのけると、多目的に使用することができます。(上)

それではまた玄関側」にもどって、階段から上階にあがってみましょう。

光に向かって上に登っていく階段です。(上)

③へ続く

あざみ野G/SOHO ヴァーチャルツアー①

竣工写真は追々、事務所のメインサイトにアップしていきたいと思っていますが、
オープンハウスに来れなかった方のために、
スナップショットによるバーチャルツアーをつくりました。
今回はその第1回目です。

まずは外階段を上がると、玄関へのルート(左)とサロンへのルート(右)に分かれます。
サロンへのルートは、2階の床が庇の役割を果たし、雨に濡れないようになっていますが、
このでっぱりは、太陽高度が高い真夏の日昼に、
ガラス面の多いサロン内部への、直射日光を遮る効果もあります。

そのようなわけで、サロンの外周は、ブラインドに加えて、
2階の外壁からセットバックしたかたちで側廊をまわしています。
建物が南東に面しているので、2面に庇の効果を期待しました。
左はウッドデッキのステップを上がり、右に折り返したところです。
サロンのウッドデッキ側はスライディングウォールになっていて、
全開放すれば内外を一体に使うことができます。(右)

スライディングウォールを全開した時にウッドデッキ側から見たサロンです。(上)
このスライディングウォールは当初、木製サッシでやろうかという話もありましたが、
性能を担保するためにはコストが今回の許容範囲を超えてしまうため、アルミでつくりました。

もし、木製サッシを選択する場合は、二つのうちのどちらかで腹をくくるべきでしょう。
① きちんとした予算をつぎ込み、耐久性があり、反りや変形の少ない材を使用し、
ヨーロッパなどで使用されている木製サッシ金物によって、気密性や操作性を確保し、
できるだけ性能を持続させる。
② 昔ながらの日本の民家仕様の延長で、ある程度安く作る代わりに、
近い将来、建具が変形することにより、隙間風が吹いたり、開けにくくなったりしても、
それも木製建具の個性と考え修繕しながら使っていく。

商業施設などで気密性が要求されない場合や、イメージを優先して数年単位で修繕に入る前提の場合、
もしくは、山荘のように、数日間のキャンプ感覚での使用目的、
あるいは、本当に、隙間風の吹く昔ながらの民家(縁側を雨戸で仕切っていた時代)の性能
で十分という場合などであれば、②もありえるとは思えますが、
生半可な気持ちで②を選択すると、おそらくすぐ音をあげることになるでしょう。
性能だけが豊かさの基準ではないと思いますし、
ローコスト住宅も個人的には嫌いではないので頼まれれば試行錯誤してやりますが、
覚悟なきローコストは、思想なき無知無謀ともいえるので、
今回は、①を選ばないのであれば、金属サッシでつくる方がよいのではと提案しました。

オーダーで金属サッシをつくる場合、スチール、ステンレス、アルミ、
または、ハイブリッドなども考えられますが、
コストと操作性(軽さ)から、今回はアルミで作っています。
既製の型材を組み合わせてオーダーで作っている割にはスマートにできました。

もちろん、スライディングウォールの場合、一般サッシと比較すると、完全な気密性は確保できませんが、
そこまで神経質になる程度のものでもないのと、冬場の寒さという観点からは、
室温というよりも、ガラス面から外周床に伝う冷気による体感温度の方が影響力が大きいと思われるので、
床暖房によってそれを解消する計画となっています。

ただ、冬場の日昼については、太陽高度が低く、十分な日差しがガラス面から室内に差し込むため、
ガラス際にいなければ、暖房はほとんどいらないのではないかと思います。

②へ続く

あざみ野G/SOHO 写真撮影

プロカメラマンによる竣工写真の撮影が行われました。

外観は、嫌がらせのような電柱と電線を掻い潜りながらの撮影となり、

最終的には車の上から撮ることになりました。

また、内観については、特に、1Fのサロンについて、

備品家具が入っていない竣工写真は殺風景なのと、

スケール感が掴みにくいということもあり、

今回は、自腹で机とイスをレンタルしていくつかのショットの中に入れてみました。

プロカメラマンによる竣工写真は、まだここではご紹介できませんが、

自分で撮ったイメージショットを少し紹介したいと思います。

イスと机は、どうせ借りるならということで、

当初の設計意図にあった家具を選んでみました。サロンは、小さいながらもフレキシブルに使われる必要性から、

いくつかの小さめのテーブルを配し、

状況に応じてレイアウトを変えることを想定した図面を当初から描いていたので、

2人用の小さな机と、それに合わせてイスを選びました。

イスはわざと違う種類のイスを選んでいます。

イスって結構、皆同じじゃない方が良かったりするんです。

一つの机に違う人たちが集まるわけだから。

残念ながら借りられたのは机1台、イス2脚でしたが、竣工写真なので十分でした。

また、今回のプロジェクトは、最近のKimizuka Architectsの仕事では珍しく、

質感のある内部仕上げが少ないので、そのバランスを家具で補うため、

モダンだけどもアンティークな質感を持つ家具を選んでみました。(黒い方はPaul Mccobb)

テーブルは錆鉄をウレタンコーティングしたようなモノです。

この家は白が多いので、家具でバランスを取って落ち着かせた方が、

疲れない、柔らかな空間が生まれるように思います。

また、アンティーク調の古ぼけた感じや汚れた感じは、

白い壁が汚れてきたりしたときにも調和して、自然な感じになるでしょう。

今回のレンタル家具のセレクションは悪くなかったと思います。

そして、本日、若干の残工事を残し、引き渡しが終わりました。

今回の工務店は素晴らしかったです。

どんな設計や監理をしようとも、最後に作るのは現場の職人であり、それを統括する工務店ですから、

経験上、工務店次第で出来上がるものも変わってしまうこともないわけではありません。

オーダーメードの家を細部までケアして作り上げていくことは、

既製品や規格仕様を組み合わせてつくるのとは違って、そうそう簡単なことではありません。

ちょっとした汚れや、傷なんかよりも、もっと大切なことがあり、

そこをどこまでケアしているかが本当は一番重要なのですが、

なかなか、そういったことを一般の方々に理解してもらおうとしても難しいという現実があります。

日本とヨーロッパで仕事をしてきて一番感じる視点の違いはそこの部分かもしれません。

しかし、こういった、住まい手だけでなく、

この家をつくることに関わった一人一人の努力や思いを、

どこまで理解し、感じられるかは、そのまま、自分の家に対する愛情や、

維持の仕方として現れてくるのではないかと思います。

お金さえあれば手に入れられる家との違いを感じられるかどうか、

ここから先は、住まい手次第です。

あざみ野G/SOHO オープンハウス終了

 

先だって、建主、工務店の皆様方のご厚意に預かり行われたオープンハウスが、無事終了しました。

お越し頂いた方々どうもありがとうございました。

そして、受付を手伝って頂いた学生さんもどうもありがとうございました。

今回、完全予約制としておりましたが、当日は、通りすがり、いつも気になっていたという、

建築家との家づくりに興味がある方もお見えになり、あっという間の二日間でした。

一日3時間の2日間という、短い時間の割にはたくさんの方がお見えになられ、

すべての方に、直接案内することができなかったことが残念でしたが、

また違うプロジェクトの機会に、ぜひお越しください。

  

あざみ野G/SOHO テラスの風景

雪の翌日、快晴の日の現場です。

ウッドデッキもはられ、テラスも完成に近づいています。

あざみ野G/SOHOは、日光にデリケートに反応し、様々な表情にかわります。

今回は、素材感が豊かな特殊な仕上げを用いてるというわけではないですが、

快晴の日は内部も外部もとても爽やかで、楽しい気分になる家です。

オープンハウスが近づいていますが、当日は晴れであることを祈ってます。

ところで、今回の敷地は角地でした。

通常、角地の場合、そのコーナー側にオープンスペースを持ってきたくなるものですが、

敷地の内側にある既存地下駐車場の上に建物を建てず、

別棟として計画することにしたので、

その駐車場の上に、このようなオープンスペースをつくりました。

これまで、このブログで何回か紹介しているように、

今回、このレイアウトは、結果的にとても良かったと思ってます。

反対側の道路に面する側が、裏側的になるという点を考慮しても、

このテラスが、他のどこにあったとしても、様々な観点から考えて、

今以上に効果的ではなかったかもしれません。

あざみ野G/SOHO 小さな吹き抜け

あざみ野G/SOHOには、小さな吹き抜けがあります。

住居エリアとサロンエリアを繋ぐ、本当にシンプルで、些細な仕掛けです。

左は1階サロン、右は2階住居の吹き抜け廻りのスタディ模型です。

この吹き抜けは、音や気配は感じあえますが、

下から上の生活を見る事は出来ないけれども、

上から下の状況を除くことはできるつくりになっています。

この吹き抜けは同時に、2階に隣接するバルコニーと連動し、

冬の太陽高度が低い時期、

1階のサロン中央に午後の陽射しを落とすための仕掛けでもあります。

サロンはその用途的性格上、外部に対して開放的なつくりになっており、

南東側と南西側はガラス面を多くしてあるので、

夏場の直射日光が、室内に入り過ぎないよう、

それらのガラス面は、2階の外壁面からセットバックして計画されています。

(これは、結果的にこの家の外観の特徴にもなっています。)

したがって、冬場のサロンを、中央まで、照明ではなく、自然光によって満たす為には、

この吹き抜けを伝って降りてくる光は、とても有効なのです。

また、冬場の自然光の確保は、室内の温熱環境的には省エネ効果がある一方、

ガラス面から伝わる床面近くの冷気に対する懸念がありますが、

これについては、今回、床暖房によって対応しています。

あざみ野G/SOHO オープンハウスご案内

※下記オープンハウスは既に終了しています。当日の模様は後日、ブログでご紹介します。

あざみ野G/SOHOオープンハウス

当方で設計・監理をしております、
「あざみ野G/SOHOプロジェクト」が間もなく竣工となり、
この度、クライアント、施工会社のみなさまのご厚意により、
オープンハウスを行ないます。
対象:
建築設計事務所との家づくり(新築、リフォーム等)を近い将来に考えている方で、
モデルハウスではなく、これから人が住む家を見てみたいという方
※  完全予約制(見学無料)となります。
※  定員となり次第締め切らせて頂く場合があります。
日時:
2011年2月26日~27日 
13:00~16:00
場所:
横浜市青葉区
※  予約を頂いた方には、詳細を通知します。
交通:
田園都市線、横浜市営地下鉄 あざみ野駅
※  お車でのご来場はご遠慮下さい。
事前予約受付方法:
1)参加希望者のお名前(同伴の場合はその方のお名前もお願いします)
2)ご希望の日時
3)お勤め先及びご自宅の住所
4)電話番号とメールアドレス
を明記の上、
「あざみ野G/SOHO オープンハウス希望」というタイトルにて、
下記アドレスまでメールをご送信ください。
info@kimizuka-architects.com

あざみ野G/SOHOについて
あざみ野G/SOHOは、
働く場所と住む場所が共にある建主のライフスタイルをテーマとした家です。
それぞれの場所は、完全に区画されることなく、
緩やかに繋がりながらその境界を曖昧にしています。
“働く”と言う行為は、個と社会を結ぶ重要な生活要素です。
個と社会を隔絶する為の箱としてではなく、
個が社会の一部であることを実感する場として、
住空間を捉えなおしていくと、
家づくりの可能性はもっと広がっていくように思います。
また、個と社会の関係は、
家族間の関係にも照らし合わせて考えることができます。
例えば、子供部屋をどのように考えるかも良い例です。
自己完結しない状態を通常よりも少しレベルを上げて生み出すことで、
他のエリアとの相互補完的な関係を誘い、
そこに生まれる家族間のコミュニケーションを期待するというようにです。
今回は、平静な郊外の住宅地にある木造住宅のなかに、
これらのコンセプトが“やんわり”と織り込まれ、
ユニークな住まいが実現しそうです。
事務所や店舗兼用住宅に興味をもたれている方はもちろんですが、
家族間の関係を考えながら家づくりに取り組みたいという方にも、
多いに参考になるものと思います。
この機会に是非お越し下さい。お申し込みお待ちしております。
君塚健太郎
きみづかアーキテクツ/一級建築士事務所

あざみ野G/SOHO サロンとテラス

あざみ野G/SOHOの1階にあるサロンは、

テラスと稼動間仕切りを介して連続しています。

春や秋などの中間期は、間仕切りを全開することで、

一つのスペースとなることがこの住宅の一つの特徴ですが、

サロン自体の物理的なスペースはそれほど大きくないので、

体感的な連続性や、

物理的なスペース以上の広さを感じる為には、

もう一工夫必要です。

例えば、左上のスタディ模型は、

わかりやすく、2階の床を取った状態のものですが、

物理的な広さとのバランスを考えたサイズで、

同じ形状の机を内外にいくつか並べています。

この家具のデザイン自体は、

円であれ四角であれ、

モダンであれアンティークであれ、

実はあまり問題ではありません。

(もっとも四角の机は、並べて使ったり、個別に使ったりといったことができるメリットはありますが。)

ただ、サイズと同じタイプのモノかどうかは、

内外の連続性や広さを効果的に感じる上で結構大切だったりします。

机のサイズが大きくなると、部屋は狭く感じますし、

外は外、内は内と、まったく別の家具を置いてしまうと、

内外の連続性は弱くなるからです。

家具そのものの良し悪し以上に、その置き方、選び方一つで、

空間は全く違った印象になり、居心地の良さ悪さにも影響します。

ただ、こういったことというのは、特に住宅の場合、

住み手が試行錯誤しながら試していくべきだと僕は考えています。

たとえ、失敗してもです。

やはり、自分でやって失敗しない限り、

幾ら僕らが提案しても、なかなか理解してもらうのは難しいのです。

もっとも、きちんとコーディネートされた備品家具が、

竣工写真を撮るときにレイアウトされていると、

対外的にプロジェクトを紹介するときは良いですし、

雑誌メディアなどはそういった写真を「生活観がある」

と言って好む傾向があります。

けれども、家というのは結局のところ、素人である住み手によって、

手を加えられ、育っていかなくてはならないものです。

その意味では、

竣工時に捏造された生活観などは、

ショールームと同じで全く意味をなさないと言えるでしょう。

むしろ、僕は、竣工引渡しから暫くたって、

その家がどのように使いこなされているかを見に行くのが楽しみでもあります。

単純に使われている状況が、下手であれ、上手であれ、見たいのです。

あざみ野G/SOHO 足場解体

爽やかな冬晴れの日に、足場がはずれました。

今回の敷地はあざみ野によく見られる”よう壁敷地”で、

前面道路に対して、地下駐車場がスッポリはいる程度の段差があるのですが、

南東面から陽射しを受けた際の下から見上げたときの存在感が、

正面にせり出した白いファサード面と、

機能的に必要な位置に設けられたセットバック窓が作る陰影によって表現されています。

今回、クライアントがスペインに関連した事業をしていることと、

比較的モダンなものを好む傾向があったので、

抽象性と地中海の光への憧憬という、

二つの側面を建築意匠史のなかで有していたエピソードもある”白い壁”を、

建物のベースカラーとしています。

工事ももうあと一息です。

あざみ野G/SOHO 造作家具据付前

2階の壁と天井のクロスが貼られ、造作家具の受け入れ態勢万全となりました。
今回、2階はペンキでなくクロスですが、出来るだけペンキっぽいクロスを選んだら、

ぱっと見、ペンキとの区別がつかないぐらい同化して良い感じでした。

ダイニングエリアの小屋裏の吹抜けと、サロンと住居エリアを繋ぐ2階床の吹抜け。

前者は家族の為の吹き抜けで、後者は住む場所と働く場所を緩く繋げるための吹き抜けです。

性格の異なる吹き抜けが、平面的にずれている事で、空間的にも変化を与えています。

手前の小さな天井の穴はロフトへの梯子がかかるところです。

小屋裏にも窓があるので、光が落ちています。ここは影になるところなので、ほのかな光でも割と効果があります。

階段もそうですが、上に登っていく方向に光が差していると気持ちが良いモノです。

あざみ野G/SOHO ペンキvsクロス

1階のペンキが塗られました。御馴染みのAEPです。

やっぱりペンキに光が当ると美しいですね。

通常はこのようなことはやらないのですが、今回は訳あって、壁と天井の仕上げを、

1階はペンキ、2階はクロスという分け方をしています。

僕の場合、事業プロジェクトはともかくとして、

戸建住宅ではいつもペンキを提案します。(仕上の予算があれば漆喰や珪藻土も提案しますが。)

イニシャルコストはクロスよりはかかりますが、ペンキとクロスだったら、

メンテナンスのことも考えれば、総合的にペンキに軍牌があがるでしょう。

それに、ペンキなら、色むらや刷毛むらも愛嬌と思えば、

施主がDIYで塗りなおすことだってできます。

クロスが黄ばんだり剥がれて来たからと言って、

全部はがして貼り直すのをDIYでやるのより、ずっと楽しそうだと思いませんか?

まあ、きちんと費用をみて職人さんにやってもらうのであれば、

メンテナンス的にはどちらでもよいのですが。

ちょっと前にラジオを聞いていたら、

最近は日本でも欧米のようにペンキが見直されてきているようなので、

とても良い兆候だと思っています。

あざみ野G/SOHO 円く納めた怪我の功名

怪我の功名と言う言葉がありますが、建築のデザインというのは、

ネガティブな条件が、ちょっとした魅力を生み出すきっかけになることがあります。

この2枚の写真は、あざみ野G/SOHOプロジェクトに出現した曲面のカットです。

左側の写真は前回も紹介しているバスルームで、母屋下がりとなって生じた斜め天井を、

曲面に処理してこのスペースの特徴に換えた部分です。

手前の洗面脱衣室との境界はガラスパーティションとなる予定です。

このガラスが透明であれば、

浴室と洗面脱衣室を貫く曲面天井とタイルの床が、

広くゆったりとした印象を与えるバスルームを生み出します。

今回は残念ながら透明ではなく、光だけの透過になる予定ですが、

乳白の飛散防止フィルムなので、

将来的に気が変わったら透明にすることもできるようになっています。

マンションのユニットバスのような狭くて暗い密室に慣れていると、

始めは違和感を感ずるかもしれませんが、

恐らく毎日このバスルームを使って慣れていくうちに、

”どうしてこのパーティションは透明じゃないのか”と、思う日がくると思います。

そうしたら、この怪我の功名が本領を発揮する出番となるでしょう。

右側の写真は、頭を打たないように階段の天井高さを確保する中で生まれた曲面天井です。

もともとは普通に納まっていたのですが、設計の終盤にクライアントから、

この天井上の2階に収納を追加したいと言われたことが発端で生まれたものです。

円く納めるという言葉もありますが、まさにこれらは、

理念が先にあって生まれたものではなく、

具体的な条件や設計の過程で生まれた矛盾や歪みを文字通り、

円く納めることによって生まれたものです。

ドライに斜め天井で作ることも出来たわけですが、

きちんと、職人の労力と愛情も込められながら”円く”納めたので、

ちょっとした愛嬌を感じる、怪我の功名となりました。

あざみ野G/SOHO バスルームの曲面天井

浴室の内装施工状況です。

左が合板下地、右がFRP防水後トップコート仕上をかけたところです。

母屋下がりで生じた部分的な傾斜天井が気持ち悪いので、

曲面天井にしてあります。

図面で指示するのは簡単ですが、

作るのは下地も天井防水もそれなりに手間がかかります。

あざみ野G/SOHO 内装工事

1.5週間ぶりの更新です。

一見あまり進んでないように見えますが、

じゅわじゅわと細部に手が入り、年内の大工さんの工事がほぼひと段落したようです。

フローリングも貼られています。

この写真からだとよくわかりませんが、全体が完成した絵を想像するに、

1Fのフローリングをブラックオイル仕上げにしたのは正解だったと思います。

それにしても今回はとても丁寧な大工さんに恵まれてよかったです。

あざみ野G/SOHO 内装工事

最近、現場の写真を更新してませんでした。

写真は内装下地工事が着々と進んでいる状況です。

左は1、2階の吹き抜け、右は2階と小屋裏への吹き抜け部分のカットです。

今回は吹き抜けが、意匠計画的にも、温熱環境的にも、

それぞれ意味合いを持っています。

あざみ野G/SOHO 個室を考える②

大分前になりますが、

東南アジアのある集落に関して書かれた文献を読んだことがあります。

そこの民家には、間取りと言うものが存在していません。

単純に言ってしまうと、単なる納屋のような家です。

その家の中で、家族がどのように住んでいるかと言うと、

家の中央を共用部として使い、

その周りに、主人のエリア、妻のエリア、子供のエリアなどが

使い分けられていると書かれていました。

そのような家で育った人々は、

人との接し方に幾つかの層を持っていると分析されていました。

つまり、もともとプライバシーと言うものが存在しない環境で育ってきたことで、

無意識のうちに、状況に応じて自分の内側を相手にどの程度開くかを、

図れるようになったということでしょう。

それは、単純な”裏表のある性格”とは違うもので、

逆に、裏とか表とかいう意識そのものがない、

もっと言ってしまうと、

人との関係性そのものが自己であるというような人間形成が、

成されてきたと捉えられるかもしれません。

それが良いか悪いかは別にして、

家というものがいかに人間形成に影響を与えるかが、

このような極端な例でも理解できます。

あざみ野G/SOHOは、

なにも、東南アジアの集落を真似ようと言うわけではありません。

けれども、前回の記事、”個室を考える①”でお話したように、

自己完結型の個室を中心に計画を考える発想はやめようと、

クライアントとの間で話し合いました。

それは、これから子供を育てていく彼らにとっても重要な決断だったと思います。

単純に言ってしまえば、

生活の中心を個室に見ず、共用スペースから考える。

そして、個室は余ったスペースに充てがい、寝れれば良い程度に考える。

そういうルールで、進められました。

その結果、通常の38坪程度の2階建て、しかもSOHO住宅では体感できない

充実した共用空間が実現しつつあります。

この共用空間を生活の中心に据え、家族や他人との関係が育まれていく時、

あまり悲観的な未来を想像できないのは、

僕や、今回のクライアントだけではないのでは?と思っています。

あざみ野G/SOHO 個室を考える①

家のつくりというのは、

知らず知らずのうちに、住み手の人間形成に影響を与えると思います。

高度経済成長期の家の多くは、個室を中心に作られてきました。

いわゆるnLDK形式で、この”n”が、

家の特徴やグレードを現す唯一の指標だったと言っても、

言い過ぎではないかもしれません。

やがてバブル期になると、その個室は、単なる寝室としてでなく、

デスク、本棚、テレビ、冷蔵庫、などが置かれた、

自己完結型のユニットになっていきます。

これに加え、LDKを経由せずとも個室へアクセスできる、

量産住宅の因襲的な間取りの相乗効果から、

LDKの比重は低くなり、家族の集う場から、

単に食事をする場所へと変貌していきます。

家が”寮”と化し、

家族と言う概念が失われていく時代だったとも言えます。

それはポジティブな現象というよりも、

単にモノの氾濫を無意識に受け入れた結果であったように思えます。

思春期の子供が反抗期を迎えると、

”寮”と化した家は、親子の関係をより引き離す方向に作用します。

親に管理されたくないと思う子供は、

”寮”の中でのヴァーチャルな自立経験に充足しますが、

所詮純粋培養に過ぎず、

人との関係や交渉の中で自己実現していく能力や気力を、

家族との関係を通して鍛えるチャンスを失うのです。

そういう家ってどうなの?

というところから、あざみ野G/SOHOの計画は始まりました。

つづく

あざみ野G/SOHO L型プラン

あざみ野G/SOHOは、既存の地下駐車場と構造的な縁を切り、

独立した木造2階建てとして計画する必要があったため、

L型のプランになっています。

いつもそうなのですが、何かを決める理由が、

法律や構造的要因だけと言うのは本意ではありません。

今回も、L型であることをいかにポジティブに捉えられるかがポイントでしたが、

過密地域の旗竿型狭小地にめい一杯建物を建てるようなケースと違い、

地下駐車場上部がオープンスペースとして開放されることを活かせば、

L型プランを採用することのメリットの方が、矩形プランのそれよりも多いと考えました。

例えば、写真は、通常は暗くなりがちな北側の1階居室ですが、

L型にしたことで、十分な採光が得られています。

また、L型によって生まれたオープンスペースは、

内部空間と効果的に連続させることで、

庭というよりも、屋根のない部屋として感じてもらえるよう計画しました。

窓を閉め切る必要がない春や秋などの中間期に全開放すれば、

室内外が連続したとても快適な環境が得られます。

そして、なにはともあれ、L型にしたことで、

窓を通して他の部屋との視線の交換が可能となることもメリットかと思います。

ブラインドで必要に応じて閉じることも出来るようにもなっていますが、

住宅に限らず、完全に閉じた部屋を出来るだけつくらないことは、

建物を利用する人同士の関係の育まれ方に影響を与える、

重要な要素でもあります。

あざみ野G/SOHO 家族のコモンスペース

天気が悪くなかなか進まなかった屋根工事が一段落し、

木工事が一揆に進み始めました。

外壁の構造用合板も張られ、サッシも大方建て込まれ、

内装下地も着々と進み、設備屋さんも入り始めました。

写真は2階の家族のコモンスペースで、前回の写真とほぼ同じアングルで撮ったものです。

朝は、このコモンスペースが一番気持ちが良さそうです。

家族が集まるのは通常、朝と夜です。

休日は一日中ということもあり得ますが、

日中は出かけたり、仕事をしていたりといったことも多い考えると、

やはり朝と夜の比重は高いでしょう。

ブルーシートがかかっている大きな窓は、

日中、高台からの風景を取り込むために大きく設けましたが、

方位的には東南に面しており、朝は爽やかな朝陽が差し込みます。

この家で食べる朝食は、かなり、気持ちよさそうです。

日中は、この大きな窓の外に広がる水平的な広がりに意識が向くと思いますが、

夜になると、都会と違って夜景は淡く灯る程度なので、

今度は小屋裏を利用した吹き抜けが生きてきます。

ライトアップされた吹き抜けが、

垂直方向の広がりへ、意識を向かわせるでしょう。

教会ほど高い天井ではありませんが、

垂直性のある空間と言うのは、人を内省的な方向に向かわせます。

朝は開放的、夜は内省的と、切り替わることで、

一日を振り返り、明日もがんばろうと思う。

そんな素朴なリズムが、この些細な仕掛けによって生まれたら良いと思っています。

あざみ野G/SOHO 中間検査

柱の筋交、引き抜き金物や、仕口、継手金物がようやく終わり、中間検査を受けました。

横浜は木造2階建てでも屋根完了時に中間検査があります。

始めは面倒な制度だとも思いましたが、

木造の構造的な生命線でもあるこれらの金物を中心に法定検査を行なうことは、

もしかしたら、完了検査よりも意味があることかもしれません。

なぜなら、金物は法規に導入されてから歴史が浅いため、

十分に施工されていない現場をよく見かけるからです。

概して木造の躯体工事のステージは、監理をする上でストレスになることが多いのですが、

今回の現場は大工さんがとてもまじめであることに加え、

工務店の自主管理も行き届き、

是正を幾度も指示したりといった状況がないので、とても良い現場だと思っています。

中間検査員もとても関心していました。

あざみ野G/SOHO 木工事 

悪い天気が続く中、じわじわと、木工事が進んでいます。

金物の取り付け、剛屋根、剛床の施工が進んでいます。

耐力壁が利くかは床の剛性や、仕口、継手の強度によるところも大きいので、

柱の引き抜き金物だけでなく、床の釘打ちや横架材の金物の取り付けも注意を払う必要があります。

屋根や床が張られてくると、だんだんと、内部の実際のスケール観が把握できてきます。

今のところズームアップ気味の写真が多いですが、

徐々にズームアウトしながら、全体像を伝えていきたいと思っていますので、

今しばらくお待ち下さい。

間もなく中間検査を迎えます。

あざみ野G/SOHO 棟上げ

基礎打設が終わった後、雨が多かったのですが、先日棟上げがありました。

昔の木造ならここから一気に進捗が目に見えて進むところですが、

最近の木造は金物が多いのでじわじわと進んでいくことと思います。

基礎が打ち上がった頃は、さほど大きく見えませんでしたが、

棟上されると、一際大きく感じられました。

僕のところで設計するものは、外部というよりも内部において、

体感的な広がりが感じられる工夫を、いつも取り入れるようにしています。

もっとも、建主の好みもあるので、いつも全てが採用されるというわけではありません。

意外と、一般的に思われていることと逆のことがキーポイントだったりする場合もあり、

言葉や模型、パースなどではなかなか理解されないことも多かったりするのです。

今回も、いくつか、取り入れることができた工夫がありますが、

それらが実際に出来上がるとどの程度の効果を発揮するか楽しみです。

また、体感的な広がりだけでなく、物理的な必要スペースというのも、

設計上のものと実際は違ったりする場合があります。

こればかりは、現場で実際身をおいてみないとわからない部分です。

例えば、飲食店などでの机や席数などは、

一般的に採用されている杓子定規な必要寸法と、

実際に必要な寸法はケースバイケースで異なる場合が多々あります。

カフェなどで良くありがちですが、

概して、想定以上の人数が納まったりするものです。

今回、上棟式の際、工務店が竣工後サロンとなるスペースに、

即席でカウンターを準備してくれたのですが、意外と人数が座れました。

テラスと一体で、サロンをパーティなどで使用する際は、

予想以上に大人数が収容できそうです。

そのような実際の物理的なスペースに、体感的な広がりの相乗効果が掛け合わされると、

数値上とは異なる、かなり贅沢に感じられる空間が、実現できる場合があるのです。

住む所と働く所、住む所と遊ぶ所、働く所と遊ぶ所。。。

そもそも、あざみ野G/SOHOのご相談を受けたとき、こんなことを考えました。

SOHO住宅というのは、住と職が一体となったものですが、
これは、住と商が環境的に近づきつつある傾向 とあわせて考えてみると、
非常に興味深いものがあります。
また、昨今の多様化する職種や雇用形態、ライフスタイル、そして、
通勤がもたらす環境負荷に対する意識なども、
職住一体型住環境を改めて考えるモチベーションとして、十分に値するものです。

一般的に、SOHOというと、僕達のような建築士やデザイナーなどで、
住宅と事務所を兼用している場合を差すことが多いですが、
昔ながらの商店街の八百屋さんとか、雑貨屋さんなどで、
1Fが店舗で2Fが住宅だったりするようなものSOHOといえるでしょう。

前者は基本的には住宅の一角を事務所として使っているというもので、
住と職(商)の境界はあいまいになっていますが、
職(商)の部分は外に開かれているわけではありません。
後者は住宅と店舗の機能分離が明確になされているので、
職(商)の部分は外(社会)に開かれていますが、
それは、機能的にも空間的にも住と交わらないことが多いように思えます。

そこで、あざみ野G/SOHOでは、
人の目の届く規模であることや、
職(商)にあたる店舗が、独自のコミュニティサロン的な性格を有していることから、
職(商)の部分を外(社会)に開いた状態で、
住と職(商)の境界もあいまいにしていくことを試みようとしています。

住宅におけるプライベートとパブリックの関係が、
ゆるく連続した状態が想定されるわけですが、
郊外の住宅地と、一時は死語となりつつあった、“コミュニティ”との関係が、
SOHOというライフスタイルによってどのような化学反応を起こすか、
とても興味深いものがあります。

幼い頃よく行った僕の田舎などもそうでしたが、
昔の農家のような家には庭に面した縁側があって、
そこで作業をしていると、ご近所さんがひょっこり現れて、
ちょっと雑談して帰っていく、
といったようなことが普通にあったと思います。
似たようなことが、このSOHOスタイルによって、
もう少し管理されたかたちでおきてくるように思えます。

住宅が人の生活にどのような影響を与えるかということを考える時、
それは、デザインやかたち、あるいは性能よりも、
むしろ、その使われ方がポイントになります。
使われ方に独自性がある住宅というのは、
建主の固有の価値観やライフスタイルと密接な関係によって成立するものですから、
いつも活き活きと、あり続けることができます。
そして、そのような持続性が確保されてはじめて、デザインや性能も、
その価値観をフォローする要素の一つとして機能するのです。

このあざみ野G/SOHOのスタイルでは、
建主にとっての”働く所”は、お客さんたちにとっての”遊ぶ所”です。
そして、それが建主の”住む所”とも緩く繋がっています。
この関係がうまく成立するための鍵は、
そこで展開するコミュニティのつくられ方にあると思います。
一見なんでもないようなことでいて、結構ハードルは高いと予想します。
建主にはぜひ、これまでのノウハウを活かして、がんばってもらいたいです。

あざみ野G/SOHO 基礎配筋&耐圧盤打設

砕石、防湿フィルムの敷設、捨てコンクリート打設を経て、基礎配筋が行なわれ、
配筋検査と耐圧盤打設後確認が先週はありました。

瑕疵担保履行法の改正で、瑕疵担保保証が義務化されていますが、
配筋は、保証会社の検査も同時に行なわれました。

これにもし、住宅性能表示やフラット35などの手続きをしていたら、
いったいいくつの同じ検査が同時に行なわれるのか、
ちょっと気が遠くなるものがあります。
同じ民間の検査機関でやると、ある程度まとめて出来はするのですが、
それもなんだか良くわからないシステムです。。。。

フラット35はローンが関係しているので利用者は多いと思いますが、
住宅性能表示は、いろいろと宣伝している割に、
費用がかかることもあって利用者は少ないという話も聞きます。

まあ、チェックは何回しても損はないので、
形式だけでなく、きちんと検査を行ってくれるのであれば、
見落としも少なくなって良いとは思います。
単に費用と書類手続きが多くなるだけでは、役所工事みたいで厳しいものがありますが。

ちなみに、住宅性能表示は、建主の費用負担だけでなく、
検査をする方も、施工をする工務店も、
慣れていないと相当に大変になると思いますが、
そんなに悪い制度ではないと思います。

あざみ野G/SOHO 根伐

基礎を打つための根切り工事があった先日、根切り底の確認をしてきました。

所定の深さがとれているかや平滑性の確認が主な目的です。

ところで、今回のような2階建ての木造の場合、
地盤調査は義務ではありませんが、
僕のところでは、設計段階で必ず行なうよう、
建主に助言しています。

地域的に地盤が強いとされている地域でも、
ピンポイントで弱かったりする場合もあります。
また、ヨウヘキなどがあって段差があるような敷地は、
例え山を削って出来た土地でも、
外周部の盛土が行なわれている部分は、
必ずしも耐力が十分とは限りません。

そのような点からも、
建物位置が決まった段階で、地盤調査は行なうべきです。
地盤改良と言う話になると予算計画から狂ってきますから、
現場が始まって改良が必要だとわかったという話では、
なかなか厳しいものがあります。

また、段差地のヨウヘキというのもなかなかやっかいなものです。
特に、古くて基準に適合していないものや、
2m以下で工作物として確認申請をしていないから、
構造図面はおろか、済証もないといったような場合、
その安全性を検証するのはなかなか難しいものがあります。

今回は新しい2m以上のヨウヘキで、
検査済証も発行されていたのでよかったです。

あざみ野G/SOHO 遣り方

あざみ野G/SOHOの遣り方検査があり、
高さ出しの基準となるベンチマーク位置の確認や、
建物位置について、図面と現場の照合をしてきました。

新しい土地ということもあり、
建主から頂いていた測量図と実際の敷地寸法の誤差がほとんどなかったようで、
建物位置もほぼ図面どおりでした。

敷地測量図は、設計を始める前に建主が準備しなくてはならないものの一つです。
建替えなどの古い敷地などで、平地で成型だからよいだろうと、
測量せずに昔の登記図面で間に合わせようとする方がたまにいるのですが、
現場で誤差が生じた場合の代償はとても大きいものがあります。
僕のところでは、必ず最新の測量図を準備することを助言しています。

日本の戸建住宅は、
ともかく法規ギリギリまで床面積や高さを取りたいというケースが多いので、
現場での建物位置の確認はとても重要です。
測量図は正しいと言う前提で設計は進めているわけですが、
毎回、遣り方検査の時は、図面と現場に誤差があったらどうしようかと、
どういうわけか、ドキドキします。

遣り方は一見、無造作に立っている塀のように見えますが、
これが実際、寸法を追っていくと、
見かけによらず、精度があるところがいつも関心します。

僕が独立する前にやっていたような比較的大きな工事では、
その都度基準点から建物のレベルや位置を出すことが多いのですが、
木造住宅では、この「遣り方」を行なうことが一般的です。

そして、この光景を見る度に、いよいよ、工事がはじまるんだなあと、
気持ちも入ってきます。

住む、働く、遊ぶ

かなり、直感的で乱暴な意見かもしれませんが、
ここ数年、商空間と職・住空間の境界が、
バブルの頃とはまた違った意味で、
なくなってきているのではないかと思うことがあります。

例えば経済が上り調子であった頃は、
家や、オフィスでの日常は、
つまらないという固定観念がまずあったように思うのです。

一方、商空間は、
それとは対極的な楽しい場所(=非日常的な場所)と思われていて、
そこへの逃避(=遊ぶ)を夢見て、
終電まで働いたり、
寝に帰ったりする日常空間があるという位置づけがなかったでしょうか。

必然的に、
そのような時代に重宝された商空間というのは、
かなり表層的な派手さをもっていて、
数ヶ月でなくなってしまっても不思議ではない、
消費社会の象徴みたいなものばかりでした。

比べて最近は、
カフェやレストランのような商空間でも、
古い建物や住宅を必要最小限に改装し、
どことなく、日常空間の延長上を感じさせながら、
届きそうで届かない、
日常とは少しだけ違うユニークさを売りにしているものを見かけることがあります。
それは派手さは無いけれども、
想像力を掻き立てるような、何かがあるユニークさです。

このようなタイプの商空間は、
いわゆる繁華街や商業ビルの中ではなく、
表通りからは少し外れた場所に、
何気なく佇んでいるようなものも少なくありません。

そのような商空間の方が、
わざとらしく○○調に“店舗デザイン”された従来型の商空間などよりも、
ずっと独自性がありながらも居心地がよいと、
個人的には感じるのですが、
同じように感じている人も多いのではないでしょうか。

一方、住空間の方はというと、
以前の安く量産すれば良かった高度経済成長期の住宅郡のように、
紋切り型でみんな同じが当たり前、
そうでないものは邪道、贅沢、といったような風潮から、
お金があろうとなかろうと、
志次第で、
個々人の身の丈にあった楽しい日常を過ごす為の、
いろいろな工夫や演出が試みられるようになって来ています。

働く空間についても同じようなことが言えます。
昔の普通のオフィス空間といえば、
グレーのカーペット、
グレーの事務机、
蛍光灯による必要以上の明るさ、
そして、過度な吸音天井による張り詰めた空気の中、
ただもくもくと作業するというイメージでした。

最近は、シェアオフィスや、SOHOといったような、
様々なワークスタイルも定着するなかで、
働く空間のあり方や、
そこに求められる快適性についても、
多種多様なかたちで、求められはじめています。

この、生活と仕事を中心とした、
日常生活環境が底上げされようとしている傾向と、
かつては非日常性を売りにしていた遊ぶ空間が、
一部とはいえ、
日常空間の延長上にある、
ちょっと違ったユニークな世界に活路を見出す傾向は、
住む、働く、遊ぶ空間のすべてを、
ポジティブな意味で日常空間化し、

“日常こそが一番楽しい”

と思えるような状況が、
普通になる時代が、
近い将来到来するかもしれないと思ったりもするのです。

そんなことを考えていたときに相談されたのが、
“あざみ野G SOHOプロジェクト”でした。

あざみ野G/SOHO  地鎮祭


ちょっと大げさに、“次世代型SOHO住宅の試み”とつぶやきながら計画してきました、あざみ野Gプロジェクトの地鎮祭が先だって行なわれました。

生憎の豪雨(?)に見舞われ、テントの下での地鎮祭となりましたが、暫く日照りが続いていたので、久々の雨によって場所の神様もかなり涼しい気分になって頂けたのではないでしょうか。。。。と、都合よく解釈することにして、これから約半年間、無事の竣工を願いたいと思います。

戸建住宅の地鎮祭と言うのは、通常、カジュアルなかたちで行なわれます。正装で地鎮祭というのは聞いたことがありません。加えて、敷地で行なうので、普通の住宅密集地や車の音がうるさいような場所では、儀式的な雰囲気も周りにかき消されてしまうことがしばしばです。

もちろん、一番の目的は安全祈願ですから、儀式的な重たい雰囲気をわざわざ出す必要はないのですが、ためしに、先日の地鎮祭の写真をちょっと加工して、必要な要素だけを抽出してみました。

実際に目に入る風景そのものから、必要な情報だけを感じとっていくと、なんとなく、本来の地鎮祭の雰囲気や意味が伝わってきたりはしないでしょうか。

日々の生活の中でのこういう集中力のことをもしかしたら感受性というのかもしれませんが、家づくりもきっと、こういう背後にある意味を見出していくプロセスなのかもしれません。

このコーナーでは、現場レポートの傍ら、このプロジェクトを通して考えたことや、関連するエピソードなども紹介していきたいと思いますのでご期待下さい。