様々な機関の検査

戸建住宅の施工中には、施工者の自主管理検査だけでなく、様々な他機関による検査が行われます。

しかし、それぞれの検査がどのような意味合いのものかを理解しているクライアントは意外と少ないように思います。また、業者の方も面倒ということで正確な説明をしていなかったり、あるいは、ごく稀に、彼ら自身も検査の意味合いを理解していない場合もあります。

ここでは、代表的な戸建住宅の検査について説明したいと思います。

 

①工事監理者による検査

設計と施工を分離発注している場合、設計事務所が工事監理を行い、施工者とは利害関係のない第三者的立場から、検査・確認を行います。工程に沿った 検査項目は、性能や法規に関係する内容だけでなく、細部の仕上がりや納まりに至るまで、多岐にわたります。検査は、現場確認や書類審査等によって行われま す。通常これらの検査報告は、工事監理報告書の一部としてまとめられ、定期的にクライアントに提出されます。後述する他機関の検査は、この工事監理者の検 査が前提となっている為、第三者検査の中で、最も重要な検査と言えます。

ただし、設計施工を一括して発注している場合は、工事監理者は第三者とはならない為、形式的に立てられている場合も多く、実質的には施工者の自主管理のみに委ねられる傾向があります。

 

②法定検査(中間検査・完了検査)

法定検査は、建築確認の済んだ建物が、申請図書通り(=建築基準法通り)に施工が行われたことを公的に検査するもので、役所や、民間の確認検査機関が、書類及び現場検査によって行ないます。

検査は中間検査(木造2階建ては自治体によっては任意。)と完了検査があります。

現場で違法建築に変更して検査を受けていない建物はもちろんですが、単に、検査済証のない建物であっても、それだけで違法建築となります。違法建築に対する罰則は、関与した施主、設計者、施工者共に課せられます。また、違法建築は将来的に売買する際にも不利になります。安易に検査を受けないことを勧めるような業者には注意が必要です。

 

③瑕疵担保保証検査

住宅瑕疵担保履行法により、品確法に定める瑕疵責任(躯体、防水関連)を担保するために、住宅の請負業者や供給業者は瑕疵担保保証に入ることが義務化されています。瑕疵担保保証検査は、この保証の受け入れのために、保証会社によって行われます。

あくまでも、保証に入る為の条件をクリアしているかの現場検査であり、性能や合法性を担保する検査とは異なります。業者が、いい加減な工事をしても保証されるから構わないという意識に陥らない為の、倫理上の目的から行われる検査です。

施工者の中には、十分な自主管理を行わず、瑕疵担保保証の検査が通ればそれでよいと考えているようなところも稀にあるようですが、このような、制度を理解していない業者には注意が必要です。

 

④住宅性能評価検査

品確法に基づく住宅性能表示を取得する住宅に対して行われる検査です。住宅性能評価機関が、あらかじめ申請されている性能設計通りに施工が行われて いるかを、書類及び現場検査によって確認します。検査は、基礎、躯体、断熱、竣工など、案件の内容に応じて定められる工程ごとに行われます。

あくまでも、住宅性能表示に関係する項目に関する検査であり、性能表示に関係しない建築基準法や、仕上げや納まりの精度、デザインに関する検査ではありません。